【阿波の古墳を行く!】これよく残ったなあ・・・。「金勝寺古墳」(徳島県吉野川市)

阿波の古墳を行く!
ちゃぼたつ
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全国の古墳の数は、約16万基。コンビニの数よりもはるかに多いのだ。だが、日常生活で古墳を見かけることはあまりない。そんな古墳を勝手に捜査、勝手に推理!妄想探偵ちゃぼたつ、古墳を行く!

金勝寺古墳

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金勝寺古墳の名の通り、金勝寺というお寺の近くにある。このお寺までの道がとにかく狭い。金勝寺の駐車場に古墳の説明板が立っていた。

吉野川市指定史跡「金勝寺古墳」

この古墳は、6世紀後半ごろに造られたと思われる横穴式円墳である。「玄室の平面プランを隅丸に構築し、石材を持ち送りにしたいわゆるドーム式の天井を形成する。」このような構造の玄室をもつ古墳は忌部山古墳群の独特なもので「忌部山型石室古墳」といわれている。(吉野川市教育委員会)
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この辺りの古墳は、ほとんど忌部山型古墳だ。「金勝寺古墳、左折20m先墓地内」と書かれていた。

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ここから捜査は難航する。この先を上っていたが、古墳はない・・・。墓地は急な斜面にへばりつくように作られており、しかも雨のせいで濡れていてよく滑る。何度かこけそうになりながら墓地の中を行ったり来たりすること数分・・・。下からは全く見えない位置に、墓石に隠れるようにしてある古墳を見つけた。

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裏へまわってみると、天井石が抜け落ちておちてぽっかりと穴が開いていた。そこから石室の中をのぞいてみた。玄室の奥壁と側壁の角は緩くカーブを描く隅丸で、忌部山型石室の特徴をよく表している。


ちゃぼたつ
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側壁は、結晶片岩の板石や河原石を積んでいる。天井付近の石をもち送って積んで天井石で蓋をしている。玄室と羨道の境にある両袖式の袖石もよくわかる。


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金勝寺古墳、忌部山型の横穴式石室構造がよくわかる古墳である。しかし、この古墳この古墳、よく残ったなあと思う。石室規模からして、約10m~15mぐらいの円墳だと思われるが、墳丘の大部分は墓地に改変されている。石室の部分だけ残っているという感じである。

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古墳の東側に下へ降りる小道があったので、そこから降りることにした。何やら祠の祀られた塚があり、すぐそばに何も刻まれていない板石が建っていた。これってさっきの天井石?

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金勝寺古墳のある墓地の斜面からは、平野部が遠くまで見渡せる。金勝寺古墳の被葬者の支配地域だったのだろうか?被葬者につながる手掛かりは得られず・・・。そう簡単には、古代史の謎は解けないものだ・・・。

 

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