徳島を象徴する眉山の山頂には、知る人ぞ知る神社があります。
それが 溶造皇神社 です。
「ようぞうすめらのじんじゃ」と読みます。
溶造皇神社を行く!
眉山縦走路入口から山一を登って行きます。
15分程山道を登って行くと、小さな石の祠があります。社殿もなく、石積みの上にひっそりと祀られています。
この変わった名前の神社に祀られているのが、須佐之男命 (すさのおのみこと) だと言われています。須佐之男命は伊邪那岐命(いざなぎみこと)が阿波岐原で禊祓いをしたときに、天照大神、月読命とともに生まれた神様です。
須佐之男命阿波誕生説もある・・・
「溶造」の意味を素直に解釈すると「溶かして造る」となる。溶かして造るモノ・・・金属?
須佐之男命といえば、ヤマタノオロチを退治した神話があります。退治した大蛇の腹から出てきたのが草那芸之太刀(くさなぎのつるぎ)という剣で、須佐之男命は、この剣を天照大神に献上したと古事記に記されています。
この剣は「三種の神器」として現在の天皇家の神宝となっています。
そもそも、八つも首がある大蛇が実在するわけもなく、まして腹から剣が出てくるわけがないので、この神話は、ヤマタノオロチは暴れ川の治水を、剣は金属器生産の技術を伝えたものではないかという説があります。
なるほど、須佐之男命が、治水や金属生産の技術をもたらしたということか・・・剣といえば、眉山には剣山神社があったような・・・。
剣山とスサノオノミコト
剣山神社 は眉山公園にあります。神社由緒には、大正4年に剣山遥拝所として創建されたと記されています。
剣山か・・・行ってみるか!
剣山のロープウェイ乗り場から頂上まで歩いて登ると、三つの神社があります。
ロープウェイ乗り場の近くには 剣神社 があります。
剣神社の本社は、標高1820mにある 大剣神社 です。御神体は社殿後ろの大きな御塔石です。
山頂には 剣山本宮宝蔵石神社 があります。社殿裏には、高さ3mともいわれる巨石があります。
これらの神社に祀られているのは誰?もしかして・・・
剣山本宮剣神社の祭神は、徳島県神社誌によると、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、安徳天皇、大山祇命となっています。
やはり、スサノオノミコト・・・
剣山には、源平合戦のときに壇ノ浦で入水し崩御された安徳天皇が生き延びて剣山に辿り着いたという伝説があります。安徳天皇は、三種の神器の一つである草薙剣とともに海に沈んでいったとされ、剣山山頂の宝蔵石の下には、安徳天皇が納めたとされる草薙剣が埋まっているとも言われています。
草薙剣は、そもそもヤマタノオロチを退治した須佐之男命が手に入れたもので、草薙剣の神霊として須佐之男命が祀られていると思われます。
しかし、YouTubeの「キューテレビもぎたて情報局ミステリー倶楽部」という動画でちらっと映った資料に「大剣神社 祭神 素戔嗚尊」と書かれていたのを見つけました。
剣山に祀られていたのはスサノオミコト?
剣山に辿り着いたのは安徳天皇だけではありません。「剣山失われたアーク説」があります。紀元前に滅んだ古代イスラエル王国から逃れた人々が剣山に辿り着き神宝であるアークを剣山に納めたというものです。
須佐之男命を祀る京都の八坂神社のお祭りとして有名な祇園祭のルーツは古代イスラエルにあるのではないかという説は有名です。
祇園祭の山鉾巡行の日は7月17日。この7月17日は旧約聖書「創世記」で、ノアの箱舟がアララト山に流れ着いた日です。そのことを祝う祭を「シオン祭」と言います。
そして、剣山本宮のお祭りも7月17日です。
八坂神社と剣山本宮、どちらの祭神も須佐之男命です。
状況証拠が積み重なっていく・・・
古代イスラエル、剣山、須佐之男命・・・どう考えても繋がりがないわけがありません。
安住の地を求め東の地へ向かった古代イスラエル王国の末裔の一集団が剣山に辿り着き、そして自らが辿り着いたこととノアの箱舟がアララト山に辿り着いたことを重ね、それが剣山本宮のルーツになったのかもしれません。
紀元前千年頃のソロモン王の時代に最盛期を迎えた古代イスラエル王国では、最先端の技術をもっていたと思われます。それらの技術も人の移動とともに伝わっていったことでしょう。
須佐之男命の伝説や溶造という神社名も金属器生産の技術と深い関係がありそうです。
ということは須佐之男命のルーツも古代イスラエル?
須佐之男命は伊邪那岐命と伊邪那美命から生まれたとされています。この「イザナギ・イザナミ」の神名も古代イスラエルの預言者「イザヤ」がもとになっているのではという説もあります。
まとめ
阿波を代表する二つの山「眉山」と「剣山」にともに祀られていたのは須佐之男命・・・。そして、祇園祭と剣山本宮祭の奇妙な一致。阿波とスサノオノミコトとの間には深い関係があると考えざるを得ないピースが揃っています。